日本人のためのより良い英語教育を考えるブログ

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注意したい英文解釈の落とし穴

こんにちは、ヒロ丸です。

 

今回は熱心な英語学習者が陥り易い落とし穴のお話です。

 

皆さんは「英文解釈」という用語を聴いたことがありますか。

現在ではあまり目立たなくなりましたが、私が学生時代(平成元年頃)は良く使われていて、英語学習=英文解釈と言ったくらいに大事な用語だったのです。

 

英文解釈とは簡単に言うと「文法、単語、語句の知識を基にして英文の意味を正しく読み取ること」です。

 

現在でも参考書が発売されていて、長文読解問題の対策などに利用されている方も多いのではないでしょうか。

 

私も学生の頃から「英文解釈教室」という本を買って、何度も何度も読み返して学習したものです。

 

しかし、この「英文解釈」という技術には実は重大な欠点があるのです。

 

どんなに文法、単語、語句の意味を正しく覚えたとしても、実際の英文の意味がよく分からなかったり、二通りの意味に取れてしまうことが珍しくないからです。

 

ここで重要になるのは、書かれている内容に関して、書き手と読み手がどれだけの情報を共有できているかという点です。

 

書き手は普通、書く内容に関してはかなり学習していることが前提ですが、読み手は必ずしもそうとは限りません。

 

ですから、読み手がいかに英語の知識があったとしても、書かれている内容に関する知識が不足していては十分な理解ができるわけがないのです。

 

ところが、英語を熱心に勉強している人で英語の力に自信がある人ほど、英語の知識だけで完全な日本語訳ができると思い込んでしまうのです。しかし、これは大きな誤解です。

 

このような誤解は特に学生の皆さんに多いように思われます。

 

私自身もその一人で、英文解釈の技術を参考に何度も何度も日本語訳をしては、解答と照らし合わせて同じ訳にならないことに苛立ち、長い間、それを自分の努力不足のせいだと考えてきたのです。

 

しかし、その英文の関する背景知識を十分持っている解答作成者の日本語訳と、その英文を初めて読む自分の訳が違っていてもそれは当然のことだと言えるでしょう。

 

英語の文章を動物の体に例えるなら、文法や単語、語句の知識というのは、あくまで、骨格に過ぎず、背景知識は肉や皮に当たります。どれだけ骨に詳しくても、それだけではその動物の全体像を知ることは不可能なのです。

 

英文の意味を正しく読み取れるようになるためには、文法や単語、語句の知識だけではなく、内容に関しての背景知識もいっしょに学ぶ必要があるのです。

 

さて、今回はここまで。また次回の更新でお会いしましょう。(^.^)/~~~