日本人のためのより良い英語教育を考えるブログ

学校英語や受験英語の学習を更に充実させるためのアイデアを提供します。

学習、技能習得と言語活動(コミュニケーション)の区別

こんにちは。

学校(中高)での英語学習で、コミュニケーション能力の育成が目標になって久しいのですが、コミュニケーションとは言葉(言語)を使った活動であると考えることができます。

 

言葉は相手に自分の意志を伝えるの道具であり、技能です。コミュニケーションを取るためには、言葉を自由に使いこなせなければなりません。つまり、コミュニケーションという活動をするためには、言語という技能を十分に習得している必要があるのです。

 

さらに、一つの技能を習得するためには、正しい知識を学んだり、規則を理解しなければなりません。その上で、反復練習や実践練習に時間をかけて取り組む必要があります。

◆技能(言語)習得に必要なプロセス

①学習(知識・理解)

②言語習得(反復練習・実用練習・経験)

言語活動=コミュニケーション(応用、実用、楽しさ)、 話す、書く、聴く、読む

※習得した言語を使って活動する。

 

さて、あらためて、学校で中高生が学ぶべき英語学習とはどうあるべきでしょうか。

 

私は一部を除いて、ほとんどの学生は ①学習(知識・理解)だけで十分なのではないかと思います。

 

こうしてみると、コミュニケーションを目標にしている現在の学習指導要領が、いかに不適切なものであるかが分かるように思います。

 

確かに、自由に言葉が使いこなせるのであれば、コミュニケーションはとても楽しい活動になるのですが、言葉の習得も不十分なままでコミュニケーションと言っても、それは、失敗の山を築くことになるのは、当然と言えるのです。

 

今回はここまでにします。ではまた(@^^)/~~~

 

コミュニケーションを目標にした中高英語教育は、はっきり不適切

こんにちは。久しぶりの投稿です。

 

私たちは中高生の英語学習の目標を見直さなくてはなりません。一部のエリートを除いて、ほとんどの中高生はコミュニケーションを目標にしなくてもいいのです。英語教育は大きな転換点に来ていると思います。

 

現行中学校外国語の教育の目標は・・

第1 目 標
 外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ,外国語
による聞くこと,読むこと,話すこと,書くことの言語活動を通して,簡単
な情報や考えなどを理解したり表現したり伝え合ったりするコミュニケー
ションを図る資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

 

・・と「コミュニケーション」という言葉が二度も出てきますが、これはもう、はっきり、不適切と言っていいでしょう。

 

なぜなら、言葉というのはコミュニケーションのための道具であり、まず、道具を作ることから始めなければなりません。そのためには基礎的な単語を覚え、文法を理解し、発音を身に着けなければなりません。さらにコミュニケーションのためには、言葉を使いこなせるようにならなくてはならず、そのためには、実際に使って、試行錯誤という経験を多く、積まなければならなりません。その過程においては莫大な時間と労力が必要であり、3年、6年という限られた時間、しかも週当たり3~4時間という中で身に着けることは到底不可能であるからです。

 

つまり、確かにコミュニケーション能力が身に着けられればいいのですが、それは想像以上に難しいことであって、一部の恵まれた中高生が達成できるということがあっても、大部分の中高生にとっては極めて困難な目標だと言えるのです。

 

ですから、ほとんどの中高生にとっては、基本的な単語を記憶し、意味を日本語で理解し、基本的な文法を理解し、英文の読み方(正しい発音ではない)が分かり、意味が

分かれば、それで十分なのです。もし、コミュニケーションまでたどり着きたい人は、卒業後に個人的に努力すればいいのです。

 

現状のままでは、中高生の皆さんは理想論を押し付けられて無理、無茶な学習を積み重ねることになり、英語嫌いが益々増えることになるでしょう。早急に現状の目標を適切なものに直す必要があります。

 

今回はここまでにします。 ではまた(@^^)/~~~

 

語学の魅力は学び!

おはようございます。

さて、現在、学校で行われている、コミュニケーションや会話重視の英語教育ははっきり間違いであるということが分かってきました。

では、これから、何を重視すれば良いのかですが、語学は学び(学習)なのですから、語学を通して学べるものはすべて、意味のあるもので、大事にしなければならないということです。

 

例えば、education という単語一つでも、読み方、正確な発音、日本語訳、語源、同義語、派生語、用法、等々、たくさん、学べることがあります。意味を英語で説明してみるというのも面白いですね。

 

これを、コミュニケーションや発音にこだわって、「外国人に通じなかったから意味がない」「上手く発音できないから、ダメだ。」となってきたのが、現在の英語教育なのかもしれません。仮に上手く発音できなかったり、通じなかったとしても、他の学びがたくさんあるのですから、語学をやる意味がないことはないわけです。

 

むしろ、コミュニケーションや発音以外の学びこそ、私たち日本人が大事にするべきなのではないでしょうか。特に中学校、高校での英語教育ではそうありたいものです。

 

そうして、長く続けているうちに、発音が少しだけ上手くなったり、少し通じる英語になったりすれば、上出来なのではないでしょうか。そう考えれば、語学も今よりももっと楽しくなりそうです。

知識・理解+教養+修練=技能

こんにちは。

いや、参りました。

・・というのは、現在の学校英語教育の間違いにはっきり気付いてしまったからです。

見出しに書きましたが、英語には4技能(話す・聞く・読む・書く)があり、英語教育の目標はこの4技能のバランスの良い習得である、というのが我々の世代の教員の共通認識であったはずです。

 

確かに、この目標は間違ってはいなかったかもしれません。しかし、中学、高校の6年間でこれを達成することはほぼ不可能と言っても過言ではないでしょう。なぜなら、知識・理解や教養を身に着けることは比較的短時間でできることですが、技能として身に着けるためには長時間の修練が必要だからです。

 

もし、これを可能な範囲で実施しようとするなら、やはり、読む、書くの部分の充実以外にないように思うのです。聴く、話すの技能まで学校教育だけで身に着けさせることは、ほぼ、不可能であり、読み書きをおろそかにして、話す・聞くに重点を置いた現在の学校教育ははっきり間違ったものだと言えます。

 

しかし、読み書き中心の英語教育というのは私たちの世代が50年前から受けてきた英語教育とほぼ同じです。この間、私たちがやってきたことはいったい何だったのか・・すべてが無駄だったように思えて落胆してしまいます。

 

でも、間違った方向に進んでしまったと気付いたら、当然、一刻も早く、元に戻すべきです。生徒も先生も、今のままでは、ただ単に、不可能な目標に向かって不毛な努力を続けることになってしまうでしょう。

良書紹介②語彙力強化のための本

こんにちは。

今回は、語彙力増強のために私が使っていた本の紹介です。

①英検パス単 

旺文社から出版されています。お馴染みの単語集ですね。小さくて見易く、例文も載っていてとても使い易い本です。

②英単語大特訓 準1級、1級 植田一三著

これは教員を目指す方や現職教員の先生方の研鑽向けですが、専門書を読むための基本語彙が豊富に学べるのでお勧めです。特に準1級は使用頻度が高い語彙を学ぶことができます。例文や語源などが載っているのもありがたいです。

 

③ 語根中心 英単語辞典 瀬谷廣一著

単語の語根を詳しく知ることができる辞書です。語源が分かると知らない単語であ    っても意味を推測することができます。語根が同じ単語をまとめて覚えることもでき、暗記だけに頼らず、楽しく単語を覚えることができます。

 

④語源中心 英単語辞典  田代正雄著

 ③はすごく良いのですが、価格が高いのが気になります。(定価4500円)本書は内容はやや落ちますが、2000円と安価なので、学生さんにはこちらの方がお勧めです。

 

今回は単語集を中心に良書を紹介してみました。皆さんも日頃の英語学習に役立ててみて下さい。

 

ではまた(^.^)/~~~

 

良書紹介①「プロが教える基礎からの翻訳スキル」

おはようございます。

今回から少し、話題を変えて、今までに私が学んできた参考書の中で、読んで良かったと思ったものを紹介していきたいと思います。

 

今回は「プロが教える基礎からの翻訳スキル」(田辺希久子著)という本です。

この本は英日翻訳(英語を日本語に訳す)ための技術が学べる本ですが、面白いと思ったのは、高校英語で学ぶ英文法の足りない部分をしっかり補ってくれているところです。

 

例えば、関係代名詞の英文の日本語訳ですが、複雑になるとなかなか上手く日本語に訳しにくいものです。特に関係詞以下が長い場合は自然な日本語にするのが難しいのですが、この本ではそれをスムーズに解決してくれています。

 

高校で学ぶ英文法は良くできているのですが、そのままでは様々な文章に応用できる程の柔軟性がないところが欠点なのです。本書はその部分をしっかり補ってくれています。高校生でも中古品なら安く手に入るので、英文法の応用編として是非、読んでほしい一冊です。

 

今回は以上です。ではまた(^.^)/~~~

 

 

 

 

英検1級はまだまだ初級・・?ってちょっと待った!

こんにちは。

最近、ツイッターで通訳や翻訳など、英語を職業にしている、いわゆる、プロの方のお話を目にするのですが、このようなことを書いてます。

 

「英語を職業にしようと思ったら、英検1級なんてまだまだ初級なんですよ。」

果たして、本当なのでしょうか。今回はこのことについてお話してみたいと思います。

 

結論から言って、私はあまり関係がないと思います。確かに基本なのでしょうが、それなら2級くらい持っていれば基本としては十分だと思うからです。

 

関係がないのだから、英検1級を持っていても通訳や翻訳をするためには十分なはずはありません。初級と言ってもどこか的が外れていると思います。

 

では、どうしてこの人はこんなことを言うのでしょう。おそらく、不安をあおって学習者に英検1級を受けさせようというのが、ねらいではないかと思われます。

 

英検1級の一年間の受験者数はおよそ2500人。合格率は10%だそうです。

2級と比較するとおよそ20万5千人、合格率は25%ですから、受験者数はかなり少ないですね。それに英検1級が極めて取得するのが難しい資格だということが分かるでしょう。挑戦するだけでも評価されるべき資格と言っても過言ではないはずです。

 

それが「プロから見たらまだまだ初級。」なんて言っているのですから、この人のお話が如何に的外れかが分かると思います。だまされて、フォローしている人も多いのでとても心配になります。

 

ただ、英検1級は私も一応、本格的に勉強はしてみましたが、英語に関しての理解が深まるという意味で、挑戦しがいのある資格だとは思います。確かに勉強する価値はあるのですが、何度も挑戦して合格するにはあまりにも大変過ぎるし、検定料も高いので、そこは考え物です。あくまで、英語の関しての教養を深めるために勉強するというスタンスで取り組みたいものです。

 

私は通訳や翻訳を職業としたい人でも、基礎力としては英検2級の英文を読んでスラスラと意味が分かるのであれば十分だと思っています。あとは専門分野に関する語彙の知識を増やしていけばいいのです。それで十分、通用します。準1級も含めて英検1級の勉強は余裕のある人だけ、挑戦してみることをお勧めします。

 

ではまた(^.^)/~~~